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10代女子のLINE利用時間は40代男性の3倍以上

世界規模で爆発的な広がりを見せるLINEは、スマートフォン同士がタダで音声通話やメッセージを送信できるサービスです。10代の女性スマホユーザーの月の平均利用時間は92.2時間に達し、男性を含めた他の世代より突出しています。

スマートフォンに登録されている携帯電話番号を照合して“友だち”同士をつなげる仕組みなので、友人の検索や承認といった作業が必要なFacebookよりも、顔見知りの人と自然につながれます。なかでもLINEが女性の心をつかんでいるのは、「スタンプ」「ゲーム」「みんながやっている」という要素にあると思います。

LINEには友達とチャット形式で会話できる機能があり、「スタンプ」と呼ばれるさまざまなイラストを添えることで、文字では伝わりにくいニュアンスを手軽に表現することができます。特に、TV画面に居並ぶひな壇芸人のリアクションに慣れた10代後半から20代半ばの世代には、“ノリツッコミ”の文化があり、そこに表情豊かな「スタンプ」がぴったりはまります。

ゲームは、空き時間に手軽に楽しめるうえに、同じコミュニティの友人たちの点数がランキング形式で表示され、競い合える面白さがあります。「今日何点出したよ!」「すごい!」というように、仲間同士で盛り上がれます。

そこに「みんながやっている」から、自分も乗り遅れられないという気持ちも作用します。とくにいまの若い女性は自分に自信がない世代。誰かに共感されて安心感を得たい、との願望もあります。わずかな空き時間を活用でき、女子会のノリで、リアルタイムで友達と盛り上がれるLINEは女性にぴったりなのです。

そこで交わされる会話は「これカワイイでしょ?」「カワイイ!」といった他愛もないもの。でも、誰かに「カワイイ!」と返してもらえればホッとする。「いったもん勝ち」みたいなところで楽しんでいます。たとえ本心は違っても、そういって盛り上げるのが社交辞令なのです。