「世界で伍していくグループ」を実現する
本日9月1日、損保ジャパンと日本興亜損保が合併して、新会社「損害保険ジャパン日本興亜株式会社」が誕生した。私自身は、持ち株会社である「損保ジャパン日本興亜ホールディングス」の社長およびグループCEOとしてグループ全体を牽引していく。
新たな船出にあたり、全世界のグループ社員に対して、目指す企業グループ像を改めて示した。それが「真のサービス産業として、世界で伍していくグループ」である。
私どもがこれまで手がけてきた国内保険事業は経営環境が順風満帆なら現状を維持していくことも許されるだろう。が、現在の日本のように超高齢社会の到来、人口減少およびそれに伴う自動車台数や住宅数の減少、近年の大規模自然災害の度重なる発生という厳しい局面にいる以上、起死回生の手を打たなければグループ全体の成長は描けない。
そこで、単に構造不況から脱するだけではなく、世界で伍していくグループの創造に向けて、熟慮の末に導き出したのが、保険事業を軸に親和性のある分野への事業展開、すなわち「真のサービス産業への進化」ということだった。その際にキーワードになるのが“安心・安全・健康”であり、保険を基盤にして、さらに幅広い事業活動を展開していく。
かつて私は「損保会社だったということを忘れられるくらいに、変わりたい」と発言したことがある。実際、私どものポリシーカードには「保険を売る」とは書いていない。明記しているのは「お客さま評価日本一を原動力にして、世界に伍していくグループを目指す」ということだ。世界で最も高い品質を望まれる日本のお客さまへの保険やサービスの提供を通じて「お客さま評価日本一」を実現するということは、世界でも十分通用する商品・サービス品質の水準にあるとの考えが根底にある。
保険が金融サービス業の一つである以上、保険料をいただき、保険金をお支払いするという保険事業の根幹において最高品質のサービスが必要であるのはいうまでもないが、今後は世界の保険グループをベンチマークにグローバルな市場で勝利していくためのストーリーが不可欠となる。