グループ事業の全体最適を図る
損保ジャパン日本興亜グループの誕生とともに、私はグループCEOとしての自覚を再認識した。私の使命を一言でいえば、グループ事業の成長に向けて経営資源の全体最適を図ることに尽きる。よりわかりやすく表現すれば、新しいグループの方向性を明確にし、なぜそうするのかを国内外5万5000人の社員に発信するということだろう。グループ全体を牽引する大きな役割を果たしたいと考えている。
そこで役割の1つ目は、全グループが一丸となって、ビジョンの実現に向け、力強く前進させることである。当然のことだが、新しいグループには経営理念・行動指針・目指すグループ像が定められている。それらに共通しているのは、「お客さま評価日本一」を実現する最高品質のサービスの提供にほかならない。このことは、海外32カ国に広がる事業会社も同様。そして、そこにはスピード感も必要である。私自身が率先垂範で推進していくことでグループブランドの強化とグループ各社の発展につなげていく。
さしあたり、2015年度を最終年度とするグループ全体の中期経営計画を達成しなければならない。いうまでもなく、中計は数値目標を伴う。私がとりわけ重要だと思うのは修正連結利益だ。これについては順調に進んでいる。2013年度に1015億円となり、2014年度は国内損害保険事業のさらなる収益改善効果などにより1460億円への増益が見込める。この勢いを駆って、2015年度はさらなる収益性改善と国内生命保険事業、海外保険事業を中心とした成長戦略を加速させたい。
2つ目がコーポレートガバナンスの構築である。当社は、2014年度のスタート時では社外取締役は外国人1人を含んだ4人になっており、当社とのしがらみや利害関係のない立場から意見・提案をしてもらっている。