お金が貯まる人と貯まらない人の差はどこで生まれるのか。消費経済ジャーナリストの松崎のり子さんは「新年度は家計を最適化する好機だが、多くの人は固定費や保険を放置してしまう。その“現状維持”こそが、お金が静かに逃げる原因だ」という――。
徐々に高く積み上げられたお金
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「現状維持」が一番危ない

「現状維持バイアス」は誰の心にも潜んでいる。今のままでいいじゃないか、特に問題は起きていないのだし……という思考だ。その裏側には「変えたことで、これまでより悪くなったらどうしよう」という、損失や危険を回避しようとする深層心理が潜んでいる。

そもそも現状を変えることは面倒くさく、なるべく余計な手間や時間を使いたくないとの、ものぐさ心もあるだろう。

しかし、現状維持のままでいることが、自分ではない誰かの得になっているとすればどうだろう。ずいぶん昔に行ったお金にまつわる選択が、今もベストとは限らない。何もしないままだと、必要がなくなったお金を払い続けていることになりかねない。お金の最適化をするには、自分の「現状」に目を向けることだ。

そのタイミングとして、春からの新生活シーズンをお勧めしたい。この時期は生活環境が変化する時期でもある。

例えば子どもの進学、進級、就職。職場なら、異動や転勤など。新居への引っ越しが多いのもこの時期だ。環境が変われば現状も変わる。だからこそ見直しにうってつけの時期といえる。年に一度の見直し時期だと捉え、現状の棚卸から始めてはどうだろう。