「引き落とし」は金額ではなく内訳を見る

①固定費

毎月引き落とされている固定費は、現状維持バイアスの代表的な支出だ。口座引き落としやカードの利用額そのものは見ていても、内訳まで細かくチェックすることは少ない。

これら明細の確認は郵送ではなくオンライン上のアクセスが主流となり、細かく見るのは面倒だ。そのため、この項目は何? と、すっかり忘れている支出が紛れ込んでいても気づきにくい。

中でも携帯などの通信費は、サービス名が細かく分かれており、パッと見ただけでは何の費用かわからないものだ。だからこそ、年に一度は「何にいくら支払っているのか」を明らかにするよう習慣づけたい。

もし使っていないサービスが発見されたら、それはムダな支払いをずっと続けていた証になる。なお、この見直しは夫婦や家族で行うとベターだ。一人だとつい面倒で先送りにしてしまいがちだが、家族を巻き込むことでスムーズに進むし、一人より二人分のムダが発見できれば浮くお金も二倍となるからだ。

その際は、それぞれの得意分野を生かしたほうがいいだろう。仕事で請求書類を見慣れているとか、デジタルに強いとか、SNSでこまめにオトク情報をパトロールするのが好きだとか。できれば家計費に関しては全員参加で取り組みたい。みんなで現状把握し、一人の責任にしないことが大切なのだ。

長年払い続けている保険のままでいいのか

②保険代

医療保険やがん保険に加入している人は多いだろうが、その保障内容をしっかり覚えているだろうか。加入した時は最良だと思って選んだ保険だが、ひょっとすると時代に合わなくなっているかもしれない。

医療保険は主に日額1万円といった入院給付金が支払われるが、近年の入院期間は短縮化しており、通院治療の方が長く続くこともある。特に、がんは通院治療が主体となっており、しかも長期間に及ぶケースが増えている。

さらには、どんどん新しい治療法が採用されているため、古いがん保険ではその治療が対象になっていない場合もあり得る。毎月支払う保険料は安いに越したことはないが、いくら安くても自分がいざ病気になった時に「使えない」保険だとしたら、これほど無意味なお金の使い方はない。

ずいぶん昔に加入したという人は、面倒だから現状維持でいいやと思わず、保障内容が現在の医療にあっているかを確認したい。

木製ブロックスタッキングを配置する手
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ただし、新しい保険に入り直そうと決めても、すぐに古い保険を解約するのは待ってほしい。がん保険には、加入してから保障が開始されるまでの間に免責期間がある。これは、がんの疑いがある人が保険金目当てに不正加入することを防ぐ措置で、もしその期間にがんと診断されても保険金は受け取れない。

そのため、古いがん保険に加入している場合は、新しい保険の免責期間が終わり、晴れて保障が有効になってから解約を。その間は二つの保険の支払いが発生するが、それこそ「保険」だと考えよう(最近では、免責期間中は保険料の払い込みが不要という商品も発売されている)。

これは他の保険でも同じこと。自動車保険や火災保険の掛け替えでも、無保険の期間が生じないように気をつけたい。