国籍・国境を越えた人材の流動。それが不可避の流れとなってきた今、意欲ある働き手に必要なのは、建前やイメージを排したより広く深い就職・転職先のナマ情報だ。今回、国内外の大手企業間に40万人近いネットワークを持つ就職・転職リサーチ会社に、国内・外資トップ企業社員による自社の採点データをいただいた。
※各データ(5点満点)および社員クチコミはすべてVorkers社提供(13年8月19日時点)。クチコミの最後の数値は、コメント主が付けた総合点。

約40万人従業員の自社評価データ

「国内企業の社員の多くは自分なりのスペシャリティを身に付けられず、辞めるに辞められない」――就職・転職サイト、ヴォーカーズ(Vorkers、東京都渋谷区)の増井慎二郎社長が語る。

「しかし、外資系の方は、初めから自分のスペシャリティを築くことを念頭に職を選んでいる。早期退職を勧められる事態になっても、ある程度見通しを立てている方が多い」(増井氏)

ヴォーカーズ社は国内外の企業39万7854人(13年8月19日現在)の従業員から、自社を8つの指標で採点したデータを集積。クチコミ情報と併せて自社サイトで公開している(一部有料)。今回、競合関係にある国内・外資大手2社を、ヴォーカーズ社の評点で比較してみた。

同じ市場で戦うライバル同士、どちらが働きがいがあるかは興味の的である。が、その尺度は単純ではない。

「定年までじっくり働きたい年配の方を多く抱えて高い評点を得ている国内企業もある半面、外資系ではリストラが多い環境でも、成長機会や待遇面により評点が高い場合も。部門によって評点が上下したり、上司の影響が大きいのはどの企業も同じ」(増井氏)

各種データと併せて社員、元社員のナマの声から、おのおのの職場のリアルな様相を想像してほしい。