ソニー vs 日本サムスン
●人材流出は「待遇面の満足度」の差のせい!?
人材の引き抜きでもしばしば話題となる2社だが、「待遇面の満足度」の比較を見ると、ソニーの人材がサムスンへ流れる理由が確認できる。一方、「人材の長期育成」という点で見ると、即戦力をより重く見るサムスンへ入社する場合には、リストラも含めたある程度の覚悟が必要であることが見て取れる。
「風通しの良さ」「社員の相互尊重」などでサムスンを上回るソニーだが、「社員の士気」にほぼ差がないところに、現状の厳しさが示されているように感じる。(増井)
●社員のクチコミ
・ソニー[総合評価:3.4]
「30代後半以降は、早く管理職になって会社が業績好調なら高給。簡単なテーマで確実に成果を挙げるのをよしとする人が増えた。40代は人員削減の対象になる可能性が高く不安あり」(商品開発部、5~10年、中途、男性、3.4)
「若手に大きな仕事を与えている。自分で考え自分で悩み自分ごととして仕事をするカルチャーが浸透。あまりにボトムアップが強いため、内部の方向性の相反が頻繁に起こる」(企画部門、5~10年、新卒、男性、4.9)
「関わった製品に顧客から評価をいただくときに最もやりがいを感じる。産休や育休は男性も取りやすい。女性の管理職は少ない。有休の調整は当人次第」(設計部門、3年未満、中途→退社、女性、3.4)
・日本サムスン[総合評価:3.1]
「全体的な雰囲気は悪くない。本社社員はプライドが高い人が多く、コミュニケーションを取るだけで精一杯。新卒だけで固まったり、派閥意識も凄い。若い女子の発言力がとんでもなく強い」(支援、3年未満、中途→退社、男性、3.8)
「プライベートで韓国人上司の家庭の手伝いや土日の呼び出し、土日出勤が普通にあった。本社からの出張者の接待も多い。製品力は強いので売りやすいが、ノルマ必達のプレッシャーは非常に強い」(半導体事業部、5~10年、新卒→退社、男性、3.1)
「すべての仕事に極端なスピードが必要。継続性に欠け、現地社員は入退社を繰り返し、駐在員も一定期間で帰国」(管理部門、3年未満、中途、女性、3.0)