SNS時代の嫌われモノ「飲み会」
令和の時代にそぐわない唾棄すべき催しとして、SNSでは論をまたずに忌み嫌われているものがある。
飲み会である。
社長「最近の若いヤツらは、会社の飲み会が嫌いなんだって?」
— 新田 龍 (@nittaryo) March 21, 2024
私「彼らは決して『会社の飲み会自体が嫌い』ってわけじゃないんですよ。気心の知れた仲間同士で飲むのは普通に楽しいし、信頼関係が築けて仕事にも活かせたりしますからね。嫌われてるのは、…
飲み会について、SNSでは若い世代を中心にしてそれを嫌がる声がいくつも聞こえてくる。
「なんでカネを払ってまで上司の説教を聞かないといけないのか」
「なんで仕事の延長のような奉仕をしないといけないのか」
「しかも自腹を切ってまで」
――など、とにかく飲み会の評判はめっぽう悪い。
なるほど一理あるように見える。仕事以外では顔を合わせたくない人と、仕事の後まで付き合ってしかも説教まで聞かされた日には、味わう疲れは倍増である。お酒が飲めない人にとっては、お酒を強要される雰囲気もいたたまれない。「日本社会そのものが働く者にとって総じてブラックである」というきびしい批判が起こる原因の一端が飲み会にあるという指摘も、まったく的外れだとは思わない。
……けれども、自分はあえて言いたい。
「飲み会には行っておけ」と。
このような言明はSNSウケが最悪であり、この記事も方々で非難を受けてしまうかもしれないが、それでも言いたいのだ。アルコールへの風当たりが強くなっていると先月の記事で書いたばかりなのに、それでも私が「飲み会には行っておけ」と推奨する理由は明快だ。飲み会は、きわめてコスパがよいからだ。
「5000円と3~4時間」で十分すぎるリターンが得られる
なぜ飲み会のコスパがよいのか。
飲み会あるいはそれに類する慰労会や社員旅行も含めた行事に参加するときに支払うコストにくらべて、参加することで手に入れられる社会人生活上のメリットが大きいからだ。
いちどの飲み会で支払うコストは高くてもせいぜい5000円と3~4時間である。それが若手社員からすればけっして安いコストではないのはわかるが、しかし5000円と3~4時間をかけるには十分すぎるリターンがある。かりに飲み会以外の場で、飲み会に費やしたのと同じ経済的・時間的コストをかけたとしても、飲み会に参加することと同等以上の便益を得るのは容易ではない。私に言わせてもらえば無理である。
飲み会は総じて費用対効果の期待値が大きく、お金と時間をかけるに値する魅力的な投資対象であるといえる。では具体的に、飲み会にお金と時間を投じることで、どのようなリターンが期待できるのか。