歌手 森 公美子さん

1959年、宮城県生まれ。昭和音楽大学短期大学卒業。東京芸術大学別科修了。この間、イタリアのミラノへ2度留学している。82年に「修道女アンジェリカ」でオペラデビュー後、ミュージカルやコンサート、ドラマ、バラエティー、CMなどでマルチに活躍。主な出演作は「レ・ミゼラブル」「屋根の上のヴァイオリン弾き」「ラ・マンチャの男」「ラ・カージュ・オ・フォール」など。7月12~13日、神奈川・厚木市文化会館で上演される「シスター・アクト~天使にラブ・ソングを~」で、主人公のデロリスを瀬奈じゅんとWキャストで演じている。


 

一昨年から去年にかけてダイエットをしたんですけど、始める前にフレンチをおもいっきり食べようと思っておじゃましたのが「シェ・イノ」さん。ずーっと行ってみたいと思っていたお店なので、まずはダイエットを始めるお祝いで、そしてダイエットが終わった途端、3回は来ました(笑)。

今は創作フレンチのお店もたくさんありますけど、王道で伝統的なフレンチをいただきたいのなら、まずこちらです。オススメはなんといっても仔羊のパイ包み焼き“マリア・カラス”。日本一ではなくて、世界一の味だと思います。

そのときのダイエットは成功したんですけど、実はリバウンドしちゃって。お金のリバウンドはいいんですけど、体重のリバウンドはしたくないですねぇ。でも、美味しいものを美味しい時期に、経済的にも自分が使えるお金を持ってるときには贅沢してもいいんじゃないかと思うんです。いつまでも体力を温存していたら、本当の力が出せないと思うの。貯金だって同じ。自分の人生、今、楽しまないでどうするっていうのが私の持論なので、美味しいものをいただいてる時間は本当に幸せです。

「きた福」さんは、美味しいものを食べる会の友人に紹介してもらったお店です。私は無類のカニ好きで、カニを食べるためだけに札幌まで行くこともあれば、ふぐを食べるためだけに大分まで行くこともあるんです。東京でも美味しいものは食べられると思うんだけど、わざわざ行くっていうそのプロセスが好きなんですよ。自分の中の贅沢っていうのかな。きた福さんではいろんなカニ料理が次から次へと出てきて、カニにとって成仏するしかないっていうぐらい、最後には何も残りません。

2~3月は「Endless SHOCK」というミュージカルに出演したんですが、まるで寮母さんみたいに毎日のようにお料理を作って、キャストに差し入れをしていました。若い子たちと一緒に食事してたら、いつのまにか8キロも太っちゃって。私はそれを「SHOCKハピネス」と呼んでます(笑)。

そして、6月からは「シスター・アクト~天使にラブ・ソングを~」で、主人公のクラブ歌手、デロリスを演じています。ウーピー・ゴールドバーグが主演した映画で有名な作品ですが、私はロスで3回観て3回とも感動しました。清純無垢に生きてきた修道女の中に、毒のようなデロリスが入って、シスターたちはどんどん変化を遂げていき、下手だった聖歌隊もみるみる成長していく。現在の演劇は女性が主流になっているけれど、男性にもぜひ観ていただきたい作品ですね。客席参加型ミュージカルなので、二度三度いらっしゃるお客様は歌詞を覚えて一緒に歌っていただけたら幸せです。