大黒摩季
1969年12月31日、北海道生まれ。3歳からクラシックピアノをはじめ、92年に「STOP MOTION」で歌手デビュー。2ndシングル「DA・KA・RA」がミリオンヒットを記録し、第34回日本レコード大賞新人賞受賞。以降、「別れましょう私から消えましょうあなたから」「あなただけ見つめてる」「夏が来る」など、恋愛中の女性の本音を綴った歌詞で、多くの女性の共感を得る。2003年に結婚。現在もライブなどを中心に精力的に活動し、8月25日に最新アルバム『すっぴん』を発表。
歌詞のイメージから、すごく勇ましくて饒舌な女性だと思われるようですが、実際の私はまったりした性格で常に聞き役。オフのときはほぼ100%すっぴんだし、30代で結婚してからは本当にありのままに生きているなと思います。もちろん20代の頃は精一杯自分を飾ったし、考えを捻じ曲げたりもしました。でも、そういう辛い時代があったご褒美で、いま自然体でいられるんです。実は、8月末に発売するアルバムのタイトルも『すっぴん』。いまの自分を簡潔に表すと……と考えたら、ポンとこの言葉が浮かびました。ジャケットの写真もすっぴんなんですよ。でも、お見せするのはこれが最後かも(笑)。
私は「こんなことを表現しよう」と作品をつくりこむタイプではなく、自分でも気付かない本心が作品ににじみ出るタイプ。毎回完成した作品で自分の考えを確認するんです。今回は、収録した12曲に12通りの答えが出ました。久し振りに悔いのない作品。大人の女性として、最高の作品がつくれたと思っています。
こうやってのびのび音楽と向き合えるのも、旦那さまがいるおかげ。結婚したことで「人生間違ってなかった」と思えたし、助けてくれる人がいるから無茶ができる。厳しいジャッジもできる最高の味方がいるから、100人敵がいても平気。ひとりで何でも頑張らなきゃ、と肩に力が入った女性は多いと思うけど、私は幸せな結婚をおすすめします。楽になれるし、もっと強くなれますよ。
レコーディングやライブでボロボロに疲れたときは、おいしい料理とお酒が一番のご褒美。「KOSARI」さんは、札幌にある本店にもよく行きます。まずはビールで、次が赤ワイン。お肉はどれもおいしいけど、特にレバ刺しがおすすめ。来たらぜひ食べてみてください。「心音(ここね)」さんは、私の隠れ家的なお店。わが家のように気軽に使っているお店なので、本当は紹介したくないくらい(笑)。しっかり食べたい人も、パーっとお酒が飲みたい人も満足できるはず。
私みたいな仕事は健康第一。野菜や果物をたくさん摂ったり、毎日の家事にエクササイズを盛り込んだりして、食べることも動くことも同じくらい大切にしています。私が思うに、自分の望むものに近づくためには使える筋肉が必要。日々何かに向かって努力していたら、自然と体も締まるんですよ。自慢じゃないけどこの20年、体形に変化はなし。体調を理由に仕事をキャンセルしたことも、一度もないんです。
アーティストとしては、「近いのに遠い」存在を目指しています。すごく自然体なのに歌うと絶対近づけない、みたいな。私がどういう人間か決めるのは他人だけど、生き方を決めるのは私。これからも強欲に、カッコよく生きますからね。