一見仲良く話している女性同士が言葉で殴り合いをしていることを、男性方はご存じだろうか。
優位なものが劣位なものに対して馬乗りになる動物同士の示威行動をマウンティングというが、女性同士で謙遜や自虐、親身な態度を駆使することで悪意を隠しながら“笑顔で”互いの順序確認をする「マウンティング」が今注目されている。
これは漫画家の瀧波ユカリ氏が提唱して耳目を集めた単語で、今クールドラマで沢尻エリカ氏主演の「ファースト・クラス」も女子のマウンティングを意識した内容になっているようだ。
瀧波氏はマウンティングする女性の傾向を、「プライドの高さと自信のなさを併せ持つ人」と分析。「ただ、意識的にせよ無意識にせよ、ほとんどの人がやっていること。女子会や職場でのランチタイムなど、女子だけがいる場で。『未婚女子×既婚女子』や『田舎暮らし女子×都会暮らし女子』など異なる環境にある女子間で起こりやすい気がする」(瀧波氏)という。
たとえば会社の同僚と家族同伴の食事会をして、うっかり妻同士を喋らせておいたら知らない間に笑顔で張り合っていた──なんてことも十分ありうるので要注意だ。
とはいえ男性がそれに気づいたほうがいいかというとそうでもないようだ。「マウンティングっぽいものを見かけても『女って怖い』と面白おかしく騒いだりするのは絶対にやめましょう。女性はそういう男性を心底軽蔑するものです」(瀧波氏)
触らぬ神に祟りなし、である。
(ライヴ・アート=図版作成)