テラモーターズ 吉田康憲
1943年生まれ。福島県立会津工業高校卒業後、日産ディーゼル入社。海外勤務が長く、タイやインドネシアなどで現地工場の立ち上げに携わる。2003年に定年退職後、Nissan Diesel Thailand副社長を経て、2013年同社入社。現在、製品製造開発部に所属し、日本とインドを行き来しながら、新しい電動三輪車の開発を進めている。

いま私は70歳です。なんでこの会社で働いているか? それはこれまでの人生で積んできた経験の荷卸しをしたい、という思いがあるからなんですよ。

1943年生まれの私は、右肩上がりの時代に会社員生活を送りました。高度経済成長にどっぷりとつかってきた幸せな人生ですよね。良い時代に生きた、と言う自覚がある。

ビジネスというのは、新しい考え方や勢いだけでどうにかなるものではありません。古い考え方や仕組みに従う必要はないけれど、過去の経験や培われたノウハウが新しい世代のエネルギーと混ざり合えば、より大きな可能性が出てくるはずです。だからこそ、こうしたベンチャーに、自分のような世代の人間が会社員時代の経験を荷卸しして、次の世代に伝えておく義務があると思うんです。

テラモーターズには知人を通して縁ができたのですが、この会社で働いていると希望を感じます。若い人たちが必死に頑張って、結果を残そうとしている姿がある。社長の徳重(徹)さんは「日本のメーカーが韓国中国にシェアを取られ、超一流企業であっても負けている」と言っていますが、これは私の見解とは少し違うんです。相手が成長している理由を考えれば、日本の人材やノウハウがもとになっているところが大いにある。その意味で日本の技術は今でも十分に健在なんです。そのことを認識していればこそ、こうしたベンチャーのメーカーにもチャンスがある。