シュルツさんが昇進を断った理由

ホルスト・シュルツ氏

シュルツさんは、ハイアットホテルで勤務していたことがあります。その時代にシュルツさんは、総支配人へのオファーを一度断っています。

「きみはなぜ、こんなにも大きなチャンスを辞退するのか?」
「私には客室での経験が足りないからです。私は総支配人になる前に、客室担当マネジャーになる必要があります」
「客室担当がきみに報告すればいいだろう」
「私は最高の総支配人になりたいのです」

社長とこの会話をした後、ほどなくしてシュルツさんはシカゴのハイアット・レジデンシーの客室部門のマネジャーに任命されました。そして、十分な経験を積んだという確信が得られてから、ピッツバーグ・ハイアットの総支配人になったのです。

正しい判断を下すことに確信を持てないうちは、昇進さえも断る。シュルツさんにとって、「その職務に必要な判断ができるかどうか」はお客様の信頼を得られるかどうかに関わる大事なことなのです。