視聴者一人ひとりに挨拶しながら営業
「はい、今日は『スポーツの日特集』でやっていきたいと思います」
ヘルスケア用品を取り扱う「ネオプラズマ」の森川孝昭社長は、リングライトの中央に設置されたスマホに向かって、ゆっくりと話し始めた。ユーチューバーのような高いテンションで始まるかと思いきや、拍子抜けするほど静かな口調でライブ配信がスタートした。
「○○さん、こんにちは」
「○○さん、久しぶりですね」
まずは視聴者のコメントに対して、森川社長が一人ひとり丁寧に挨拶していく。平日13時からのスタートにもかかわらず、続々と常連客が集まってくる。
ひと通り挨拶が終わると、看板商品の管理医療機器「プラズマグパッチ」の紹介を始めた。ときおり、肩こりのストレッチ運動の実演や健康に関するうんちくを挟みながら、商品開発のストーリーや他社商品との違いなどを、熱を込めて語り続ける。
チャットを通じて視聴者からコメントが入ると、商品紹介をいったん中断し、冗談を交えながら丁寧に質問に答えていく。時にはスマホのカメラをじっと見つめて、真剣なまなざしで語りかけてくるので、間近で見ている自分が引き込まれそうになる。
「1回の配信で50万円以上売り上げる」
ライブ配信中、横にいた支援会社のスタッフがTikTok Shop内に広告を投入した。視聴者数は一気に80人まで増加し、PCの管理画面に目をやると、次々に商品が売れていくことが分かる。
勢いに乗って森川社長のトークにも力が入る。2品目の保湿用ローション、3品目のリカバリーパジャマを紹介し、あっという間に1時間30分のライブ配信が終了した。
森川社長がTikTok Shopに参入したのは今年の3月。まだ始めて1年も経っていないが、持ち前のトーク力で視聴者の心を鷲掴みにし、今では1回のライブ配信で50万円以上を売り上げることもあるという。
TikTok Shopを始める前までは、ライブ配信に対して「大変」というイメージしか持っていなかったが、実際に始めてみると「びっくりするぐらい簡単だった」(森川社長)という。スタートした当初は準備に1時間ほどかけていたが、今では15分ほどで撮影に入ることができる。直前まで仕事をしていることも多く、ライブ配信だからといって気構えることはない。

