腐敗の排除には、確かに合理性がある

中国側は、腐敗の排除によって軍の結束と戦闘力が高まると説明する。これにも合理性がある。昇進を金で買える組織や、調達の不正を隠す組織では、能力のある人材が正当に評価されず、装備への信頼も損なわれる。CSISが2026年2月に公表した論集にも、短期の混乱が、長期的にはより強力な中国軍につながり得るとの分析がある。

分かれ目は、腐敗を取り除く過程で、専門家の率直な報告まで失われるかどうかだ。摘発の理由が不透明で、昨日まで信頼されていた上司も排除されるなら、部下は正確さと自己保身の間で迷う。達成困難な目標に無理だと言うことが、能力不足や不忠実と受け取られないかを考えるからである。

これは今回の中国軍で、すべて実証されたという意味ではない。粛清後の組織を評価するうえで、確かめるべき危険である。後任の経歴だけでなく、失敗を報告した人がどう扱われ、計画を修正できるかを見る必要がある。

中国・北京の天安門
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米側の評価が示す「2027年」の意味

10月1日のロイター報道は、匿名の現・元米当局者らの見方として、中国が2028年より前に台湾へ武力行使に踏み切る可能性は低いと伝えた。理由として挙げられたのは、粛清に伴う軍の態勢の遅れと、2028年の台湾総統選の行方を見極めたいという中国側の思惑である。

ここで注意したいのは、この評価が、武力行使を前提にした「延期」の話ではないことだ。米側がたびたび言及してきた2027年は、必要なら武力を使える態勢を整えるよう軍に求めた準備の目標とされるもので、開戦の予定ではない。中国自身も、平和的な統一を掲げながら、武力行使の選択肢は放棄しないという立場をとっている。報道が示しているのは、中国の軍事的な準備と政治的な判断について、米側がどう見ているかである。