「天寿を全うしたい」日本人の心理
介護保険により自宅、高齢者施設で亡くなる人が増え、その結果、死因を追求するよりも平穏な死を迎えるようになったのであろう。しかし、これだけ急に増えているのは、高齢者の死亡を安易に老衰と診断している傾向があるのではなかろうか。加えて、天寿を全うしたという意味で老衰を受け入れる素地が日本にはある。
厚労省のマニュアルによると、「『老衰』は、高齢者で他に記載すべき死亡の原因がない、いわゆる自然死の場合のみ用い」る診断名である。つまり、老衰は除外診断である。他の病気があるかどうかはどこまでていねいに調べるかによって変わってくる。
歳をとり弱っている患者に、原因を調べるため徹底して検査をするのが、本人のためになるとは限らない。
老衰で死ぬのは、圧倒的に高齢者である。96.3%は80歳以上が占めている(※2)。
・70歳代:3.5%
・80歳代:28.7%
・90歳以上:67.6%
※2 厚生労働省「人口動態調査(確定数)2024年、上巻5-15『死因(死因年次推移分類)別にみた性・年齢(5歳階級)・年次別死亡数及び死亡率(人口10万対)13老衰』」

