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図1 2011年度から16年度にかけて急増する世帯年収別負担

「消費税が10%へ引き上げられた後の2016年度の税金や社会保険料の負担を11年度のそれと比較したところ、夫40歳、妻38歳、そして8歳と6歳の子どもがいる年収700万円の世帯では、合計37万3011円もの負担増になりました。年収500万円の世帯でも31万5392円の負担増で、これから私たちの暮らしはますます苦しくなっていきそうです」

図1のデータを見ながら、こう語るのは家計の見直し相談センターでファイナンシャル・プランナーを務めている八ツ井慶子さんだ。同センターはこれまで1万5000件を超える世帯の家計診断を行っていて、日頃から“生のデータ”に触れているだけに、八ツ井さんの言葉には重みがある。

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夫婦のみ世帯

表の「増税」は12年度から廃止された年少扶養控除による住民税のアップ分のこと。復興増税は13年1月から課せられていて、今後25年間、所得税に2.1%上乗せされる。さらに14年度からは10年間、住民税が年1000円加わる。そして、児童手当による収入減の影響があるうえに、12年10月からは地球温暖化対策のための税の課税が段階的に始まっており、こちらの負担増は環境省の試算によると一世帯当たり年間1200円ほどだ。

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夫婦子どもあり(1人)世帯

社会保険料については04年の年金改正で、厚生年金の保険料率を17年度まで毎年0.354%のアップが決まっており、その分を反映している。一方、健康保険と介護保険については保険料の具体的なアップ・ダウンが読めず、ここでは現行水準の維持が前提である。残る消費税については総務省の家計調査のデータに基づいて、おのおの標準的な世帯の支出額に消費税のアップ分を掛け合わせたものだ。