「9月にも」の重要証言
地元を回ると、簗氏がつい最近の今年9月にも同じような発言をしていたという“重要証言”も聞こえてきた。自民党員の政界関係者がこう打ち明ける。
「簗さんが農水相となる前の9月前半、グラウンドゴルフの集まりに現れた簗さんが、『那珂川町は相手にしてくれないし、隣の市(那須烏山市)はダメ』と不満を口にしていた。それと自分の支持する複数の自治体の首長の名前を挙げて、『今から国交省へ(つれて)行く』といった話をしていた」
地元の要望を国交省に伝えるのは政治活動として普通にあることだ。だが、露骨な“差別”に「非常にがっかりしました。言うことを聞くところには予算をつける、聞かないところは減らすというニュアンスをちらつかせていたのは間違いありません」と振り返る。
今回、話を聞いた3人には共通点がある。いずれも、かつて簗氏を支援していた人たちだ。ゼロから当選させた元県議、選挙を支えてきた県議、元支援者の政界関係者。今はそろって厳しい目を向ける。
この政界関係者は、支援者が離れた契機の一つに「裏金問題」を挙げる。旧安倍派の18〜22年に計1746万円の還流を受け、収支報告書の記載を巡って党役職停止6カ月の処分を受けた。
「地元への謝罪がなかった。前々回の衆院選では渡辺真太朗氏に178票差まで詰められたのに挨拶もしなかった。支援者がどんどん逃げていった」
AERAは簗氏の議員会館の事務所に、①秘書の勤務実態と退職者について②自民党支部の所属者に対する除名要求について③9月の「相手にしてくれない」「ダメ」発言の趣旨について、質問した。締め切りの9日夕までに回答は得られなかった。
かねて高市早苗首相から「簗ちゃんは知恵袋」として重宝されてきたという簗氏。「裏金議員」ながら改造内閣で大臣に抜擢されたが、辞めれば首相の任命責任に直結する。続投すれば報道や野党の追及が続く。すっかり袋小路に入っているようだ。
(AERA編集部・上田耕司)
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