分裂選挙と元支援者らの証言
自分を支持しない自治体と有権者に仕返しする。自民党幹部も苦言を呈すような状況は、実際に起きうるのだろうか。
栃木3区は、かつて自民党の実力者、渡辺美智雄氏(旧栃木1区)の地盤。長男の喜美氏が自民を離れて「みんなの党」を立ち上げたあと、党は「自民以外の国会議員ではダメだ」として候補を公募した。そこへやってきたのが、地縁のなかった簗氏だった。
以降、国政だけでなく首長選でも「簗派」と「反簗派」の対立が続く。選挙区内の川俣純子・那須烏山市長、益子純恵・那珂川町長らは2月の衆院選で、対抗で自民党籍を持つ渡辺真太朗氏(無所属)を支援。渡辺氏が小選挙区で当選し、敗れた簗氏は比例代表で復活した。
一方、自民党栃木県連は、公認の簗氏を支援しなかったとして、渡辺氏側についた党籍を持つ首長や元県議ら計4人(川俣氏、相馬憲一・大田原市長、坂村哲也・下野市長、三森文徳・元県議)を党規違反として処分した(3首長は戒告、三森氏は党員資格停止1年)。
「今までの簗さんの行動を見てきましたので、そういうことをやる人だと思っています」
三森氏は「予算カット発言」に驚きはなかったと話す。背景として挙げるのが、栃木3区で繰り返されてきた保守分裂選挙だ。
「簗さんの発言は地元の構図と全部つながっているんですよ。那須烏山市長選や那珂川町長選で、彼は現職への対抗馬を擁立してきた。簗氏は言うことを聞かない者は全部退治するという気持ちで政治をやっているんです。いわゆる仕返しですよね。その一つの表れが今回の発言だと思います」
三森氏は、かつて簗氏の選対本部長を務め、地縁のなかった簗氏を「ゼロから当選させた」人物。
「美智雄先生のような政治家になってほしいという思いで、ずっと応援していましたが、政治家としての気配りや思いやりがないんです。能力はあったとしても、政治家はやっぱり人間性を持ち合わせている人が上に立つべきだと、私は思っております。彼はそこが欠落しているのではないかなというふうに思いました」
