相手を打ち負かす前に考えるべきこと
怒りを爆発させ、相手にぶつけたらすっきりするのに。そう思ったら、立ちどまる。以下のように自分に問う。すると、怒りで曇った視界がひらけ、深く後悔する過ちを防げる。
まず、考える。自分は今、誰と、何について争っているのか。この先、この人とどんな関係でいたいのか。この言い争いに勝ったら、どうなるのか。負けたらどうなるのか。2人の関係を終わらせたいのか。もっといい関係にしたいのか。互いの人生を地獄にしながら、共に子育てしたいか。今回の言い争いのテーマは、長い目で見て、大事なものか。自分は相手に何を伝えたいのか。相手は何を伝えようとしているのか。
感情が高ぶると、相手の話の途中から反撃したくなる。人は話したい生き物だ。人の話を聴きたい人は少ない。
感情にのまれず、相手の視点から事情を理解する。そう努めれば、話し合いは大きく進む。自分の主義主張をいったん脇に置いて相手の話を聴くのは、負けだと感じるかもしれない。でも実際はそうではない。
怒鳴られ、批判され、責められ、攻撃されると、相手は心を閉ざし、防衛態勢に入る。逆に、話を聴いてもらえた、理解してもらえたと感じると、歩み寄る。
「お前はいつもそうだ」が関係を壊す
だから、ただ聴く。穏やかに耳を傾ける。話を聴き、理解したことを伝える。それは強い力となる。あなたは、議論の舵を手に入れる。相手の正しさを認めるのとは違う。「あなたはこういう考えなのですね。私とは違う、あなたの視点を理解したい」というメッセージを伝えるだけだ。
声のトーンと音量を落とす。穏やかな声でゆっくり話す。敵意がないと非言語的に伝える。すると、緊張が和らぎ、互いの話に耳を傾けられる。この話し合いの勝ち負けよりも、2人の関係ははるかに大切だ。それを伝える態度こそが、最も効果的だ。相手は武器を下ろす。空気が変わる。
誰もが、口論のときは自分が絶対に正しいと思っている。それを忘れてはならない。2人で口論するとき、そこには2つの異なる「正しさ」がある。どこから見るかが違うだけだ。大切な人との意見の衝突を乗り越えるためには、自分の正しさを主張しようとして相手の人格を否定してはならない。
その言動や考え方がどんなに間違っていると思えても、人格を攻撃すると、関係が壊れる。だからダメなんだ、お前はいつもそうだと相手の性格を侮蔑したとたん、全てが悪い方向へ進む。
