アレルギーの悪化や自己免疫疾患の原因に
日本人の場合は、欧米人と比べて、グルテンに対する自己免疫疾患であるセリアック病を起こしやすい遺伝的素因(HLA‐DQ2、またはHLA‐DQ8)は少ないので、問題はないとされてきました。
ただし、日本人に多い、HLA‐DQ9や、HLA‐A9は、花粉症などのアレルギーを悪化させる可能性があり、HLA‐DR4やHLA‐DR15などは、甲状腺や関節に誤って反応する自己免疫疾患の原因になる可能性があることも指摘されています。
また、アレルギー反応はないものの問題を起こす「グルテン不耐症」は、十分に起こりうるものです。不耐症は最も捉えづらいのですが、グルテンを摂取すると、下痢、腹痛、頭痛、身体のだるさ、不安、気分の落ち込みなどの不調が起こります。
たいてい、グルテンが原因とは自覚していませんし、検査で診断できるものではありませんが、きっぱりやめることで症状が改善し、再開することで同じ症状が起こるならば、不耐症の可能性があります。
小麦を食べるなとまではいいませんが、自分の心身と相談し、合わないなと感じたら控えること。また、産地、品種、頻度などを考えて食べることをお勧めします。
輸入よりも国産、慣行農法よりも有機農法を
カムット小麦やスペルト小麦、一粒小麦などの古代小麦であれば、グルテンが極めて少ないか、グルテンの構造が違うので、消化がしやすくリスクが少ないのですが、なかなか手に入りづらいのが難点です。
一般的な小麦は、ご褒美で食べるものと考えて、常食は控えることをお勧めしたいですが、どうしても食べたい場合には、輸入よりも国産、慣行農法よりも有機農法のものを選ぶとベターです。
グルテンの種類や量は変わりませんが、慣行農法の輸入小麦は、プレハーベストといって、収穫直前に使う除草剤の残留が多いことが指摘されています(農民連食品分析センター調べ)。腸内細菌にダメージを与えるリスクがあるため、避けたいものです。
一方、お米の消費は右肩下がりに減っています。農水省の報告では、米の1人当たりの年間消費量は、昭和37年がピークで、118.3㎏。1人1日2合強、食べていた計算です。それが年々減少し、令和6年では、年間53.4㎏と、半分未満になっています。
パン食に置き換わったことよりも、おかずをたくさん食べるようになったことや、糖質制限ブームで「炭水化物は身体に悪い」などといわれたことなど、いろいろな要因があります。ですがこれは誤解で、米は、たとえ白米であっても、腸内環境のためにも有益です。

