なんとなく憧れて就くべき仕事ではない
つまり、まだ自分の職業人生を決めきれない人間が、自分探しをしつつ、中長期にわたって専門性を積みたい仕事を探しに行く。それができるのは、コンサルが多くの業界、多くの会社、多くの職種と関わり、世の中のあらゆる仕事を幅広く知れるからである。そして、自分の職業人生の軸に据えようと思える専門性を見つけたとき、一応コンサルスキルは身についているので、そこに転職しやすい。
一方、なんとなくの憧れで、モラトリアムの必要がないのにコンサルに来てしまうケースもある。だが、モラトリアム期間であることを自覚し、次のステップに進むための目的意識を持って来なければ、何の方向性も見つけられずに終わる。コンサルスキルは身につくのでは? との声もあるかもしれないが、コンサルスキルは所詮、汎用スキルにすぎない。
それなのに、コンサルへの憧れが先行して深く考えずに来てしまったり、何らかの専門性を見出しつつあるのに、「隣の芝生は青い症候群」や、三十歳を過ぎて突然留学に行きたがる「青い鳥症候群」のように、いまの仕事には価値がないと思い込んでコンサルに来てしまったりする。手にしかけている専門性を捨ててコンサルに来たいと思うケースなどはまさに本末転倒と言うべきである。
問題は、コンサルという職業そのものではない。自覚のないまま足を踏み入れることだ。モラトリアムであることを自覚し、次の専門性を見つけて降りる――それができる者にとってコンサルは最高の場所だが、できない者にとっては、いつまでも降りられない「憂鬱」になる。憧れだけで選ぶと後で後悔する。
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