コンサルがここまで大人気になった理由
私自身も総務省を退官した後にコンサルに進んだので、もちろん、コンサルに転職する人の気持ちはよくわかるのだが、たとえば、三菱商事を辞めてコンサルに来ましたという同僚を見て、さすがに「もったいない!」と思わずにはいられなかった。
官僚からコンサルならば「給料が上がる」「ブラックな働き方も多少は改善される」と納得できるのだが、どの仕事にも苦労があることはもちろん理解しているものの、それでも三菱商事だったら、待遇はコンサルにひけをとらないし、若くして経営者の立場になれたりするし、しかも終身雇用が保証されているわけで、そういう人を見ると「なぜ?」と思わずにはいられなかった。いまのコンサルはJTC最強の総合商社マンすら吸引してしまう魅力と人気を誇っているのである。
では、なぜコンサルがこれほどまでに人気なのか。
年収が高い、「優秀な人間」のステータスを得られるといった理由もあるだろうが、最も主要な理由は、プロフェッショナル人材になれることだ。いまの学生や若手社会人は、コンサルを選ぶ人に限らず、一刻も早く実践的な職務スキルを身につけ、付加価値を生み出せるプロフェッショナル人材になりたいという意向が強い。終身雇用制が崩れ、転職が当たり前になったいま、組織に依存せず自分の力で人生を切り開いていこうとする強い意志を持っている。自己成長のスピードを最大化し、市場価値を高めることで、真の意味での「キャリア自律性」を実現しようとしているのだ。
プロフェッショナルな働き方はしんどい
コンサルのほか、外資系、IT系、ベンチャーなどに共通する「プロフェッショナルな働き方」。これらの仕事はどれもしんどい。それはなぜか?
コンサルを例に考えてみよう。コンサルに仕事を頼むクライアント企業も、自分でできる仕事であればわざわざ高いフィーを払ってコンサルには頼まない。つまり、コンサルの仕事はそもそも普通の企業の普通の社員の手には負えないような難度の高い仕事が多い。そんな仕事を、短い時間の中で、求められるクオリティで仕上げるのは簡単なことではない。だから、コンサルタントの仕事はどうやっても大変になる。
まして、クオリティが足りなければ、どうにか時間を捻出して求められるクオリティに仕上げないといけないのでなおさらだ。クライアントへの発表の前日は深夜まで働いているか、下手をすると寝られない。昔は「二徹した」「三徹した」といった話がそこら中に転がっていた。

