会社でのパソコンの入れ替えや新しい設定など、情報システム部門から社員への依頼は面倒くさいと捉えられやすい。麗澤大学教授でシステム開発に詳しい宗健さんは「情報システム部門は常に減点主義の圧力を受けている。情シスには情シスの事情があることを説明したい」という――。
オフィスでパソコンを使用する2人のビジネスパーソン
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情シスからの依頼は「メンドクサイ」

フリーランスや自営業の人たちにはあまり実感がないかもしれないが、会社員など組織に属している人は、情報システム部からの「○○を○○までに実施してください」という依頼をメンドクサイ(カタカナなのは「やらなきゃいけないということはわかっているけれど」という気持ちを表してみた)と思ったことがあるだろう。

特に、PCの入れ替え、生体認証の設定、VPNの設定など素人には簡単ではない作業を、日々の忙しいなか、期限を切ってやれと言われ、わからないことがあってコールセンターに電話してもつながらず、途方に暮れた、という経験は私にもある。

そうしたことが積み重なって、現場からの情シスに対するイメージはあまりよくないようだ。

今回は、少し情シスを弁護する意味でも、情シスには情シスの事情があることを説明してみたい。

減点主義の圧力を受けている

情シスでない人にまずわかってほしいのは、情シスは常に減点主義の圧力を受けている、ということだ。

たとえば、クラウドの業務システムを使っていて、それがクラウド側の理由で停止したとしても、その時責められるのはクラウド事業者ではなく情シスだ。

システムは使えて当たり前、セキュリティは万全が当たり前、という世界に加点主義はない。システムが落ちれば減点、情報流出があれば減点であって、もしまったくの想定外のトラブルでシステムが落ちて、本来なら1週間止まるところを、頑張って1日で修復しても加点にはならない。1日止まったという減点が残るだけだ。

そのようなケースでは、システムを止めないためにも、セキュリティを維持するためにも、ユーザーが使っているPCの設定などを変更する必要が出てくる。この時、100台のPCがあれば100台のPC全部に確実に対応する必要がある。95台は対応しましたけど、5台は対応できませんでした、では済まないのだ。

だから、情シスからユーザーへの依頼には、ちゃんと理由と背景があって、不要な依頼はないはずだ。