住宅ローン金利が急上昇
日銀は2026年9月に政策金利を約31年ぶりの水準である1.25%に引き上げた。こうした金利上昇の中で、住宅ローンのフラット35の金利は3.83%と現行制度で過去最高を更新し、メガバンクの変動金利も1%台に乗った。
2025年まではフラット35でも2%以下、変動金利だと1%を大きく下回る場合もあったことを考えると、劇的な変化だ。
2025年までは、住宅ローン減税の控除率のほうが変動金利よりも高い場合が多く、実質的にマイナス金利だったから、借りられるだけ借りて家を買う、しかも期限の利益をわざわざ放棄するような繰り上げ返済はしない、ということに合理性があったが、ここまで住宅ローン金利が急上昇すると、借り方や買い方を再考する必要があるだろう。
今回は、金利が急上昇している状況での住宅ローンの新常識を考えてみたい。
購入の条件は「家賃>ローン返済額」だった
家を買うときに注意すべきこととして、同じ条件の家の場合、賃貸の場合にその家に支払われる家賃よりも、購入した際の月々のローン返済額が少ないこと、というものがある。このとき比べる家賃は、一般の賃貸住宅ではなく、分譲マンションを賃貸に出している、いわゆる分譲賃貸の家賃にすべきだ。賃貸用に建てられた住宅と分譲用の住宅とでは、構造や遮音性、設備、管理まで品質がかなり違うからだ。
もともと日本の持ち家はこの条件を満たしていることが多かった。ただ、最近ではタワーマンションという例外が出てきた。
2013年頃からの首都圏のマンション価格の高騰は急で、今や都心のタワーマンションは1億円超えが当たり前になっている。
しかし、マンション価格の上昇ほど家賃は上昇していないため、都心のタワーマンションの利回りは2%程度であることも多い。これは、ローン返済額より家賃のほうが低い、すなわち借りたほうがコストが安い、別の言い方をすれば、購入者は値上がりを期待して買う、ということを意味している。
金利が上昇している現状では、貸した場合の家賃収入は、月々の金利と管理費等のコストを賄うのが精一杯で、元本返済できるレベルに到達しない、ということも十分にあり得る。
こんな買い方はもちろん止めたほうがいいだろう。
ところが、このタワーマンションの個別事例が、持ち家そのものを否定する材料に使われることがあることには注意が必要だ。
「買うより借りたほうが安い」という、いわゆる賃貸派の議論だが、こうした論者には、自由業や自営業、フリーランスといった、そもそも住宅ローンの審査が通りにくい立場の人で、それでいて、住むならタワーマンションのようなステータスのある物件がよい、という人が少なくないように見える。
しかし、これは個別の事例に過ぎないから、一般化するのは適切ではない。

