もっとも強力な金融ツールは「人間性」
人間はアルゴリズムにきれいに収まる存在ではない。
これはとくに人間とお金に関して当てはまる。
人間とお金の組み合わせは、複雑な適応システムを生み出す。原因と結果の関係が相互に深く絡み合い、次になにが起こるか予測できないからだ。
とてつもなく複雑になるのは、ぼくたちがシステムと関わることでシステム自体が変化するからだ。
それをアルゴリズムに押し込めようとしてみてほしい。
みんなが「正しいお金の使い方」のための公式を欲しがる。
でも、お金に関する大きな疑問を無理やりひとつの簡単な公式に当てはめようとすればするほど、「時と場合による」という答えに行きつく。
人生も株式市場もお金も複雑だ。アルゴリズムはパターン分析には優れているけど、大きな投資判断に伴う不安や、目標を達成したときの誇り、家族を養う責任感といった感情までは感じ取れない。
もっとも強力な金融ツールは数学ではない――人間性そのものだ。
豊かになる方法
まったく同じ条件のふたりがいたとしても、ひとりはゆたかだと感じ、もうひとりは閉じ込められたように感じていることがある。
なぜか?
世界を「足りない」と感じるか、「十分ある」と感じるかを決めるのは、必ずしももっているものの量ではない――多くの場合、どこに意識を向けるかの問題だ。
貧しさとゆたかさは、視点の関数だ。それは状況とは無関係に、ぼくたちが選び取る「姿勢」のようなものだ。
「世界は足りないものばかりで、自分は決して追いつけない」と感じるのを選ぶこともできる。あるいは、「世界は広がっていて満ちており、自分はすでに満足できるものをもっている」と信じるのを選ぶこともできる。
大切なのは、「もっと手に入れる」ことではない。すでにもっているものを愛するべきだと学ぶことかもしれない。
絶え間ない比較が横行する世界において、「ゆたかさ」の視点をもつことは、「もっと必要だ」という罠から抜け出し、成功の定義を自分で書き換える方法になる。
「なにが足りないか?」ではなく、「すでに十分なものはなにか?」と問いかけてみよう。


