「部下→上司」へ負担が移動

さらに、「部下のAI作成物の確認・修正に時間がかかる」「部下のAI作成物の評価に迷う」「部下ごとにAIツールが異なり運用を揃えにくい」も続く。見かけ上は部下の仕事の効率が上がっているように見えて、それは実は上司の確認工数が増えているだけということもある。

「部下が出す資料がやたら長い資料になって、確認時間が膨大になった」
「一見正しいが、まったくピンとこない提案が多くなった」
「自分で全く考えていないのがバレバレで、仕事への向き合い方に疑問を感じた」

AIによって部下の手元では時間が浮いているようだが、上司の手元へ移動しただけということでもある。

オフィスのデスクで頭を抱えるビジネスマン
写真=iStock.com/koumaru
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AIによって変化した仕事の中身

興味深いのは、AI以外の業務についても、上司の負荷構成が変わっていることである。

AIをよく使う職場の上司は、そうでない職場の上司に比べて「評価の実施」「機密情報の管理」の負荷が高い。一方で「部下のプライベートな相談事」「組織内コミュニケーション活性化の推進」の負荷は低い。

【図表2】職場の生成AI利用頻度別「上司の負荷」(あてはまるの差、pt)
出所=パーソル総合研究所「AI環境における人材とマネジメントに関する定量調査」

評価にまつわる悩みも、上司の口からしばしば出てくる悩みだ。

「AIを作ってできたものが、その人の評価にしていいか悩む」という人とAIの評価の切り分けの話や、「AIで、ほとんど成果に差がつかなくなった」という平準化による話も聞く。

一方、後者のコミュニケーション負荷の低下を、単純に「楽になった」と読むのは危ういだろう。次に詳しく見るとおり、部下の日常の相談はAIへ移りつつある。