緊張をほどくゆとりが生むメリット
加えて意識したいのが、「説得」より「傾聴」を優先する姿勢です。リアクタンスが強いメンバーほど、頭の中に「自分なりの考え」を持っています。
それを最後まで聞かずにアドバイスをかぶせてしまうと、たとえ内容が正しくても「結局、聞く気はないんだな」と受け取られてしまう。反論や提案は、相手が話し終えたあとで十分です。「まず話を聞いてもらえた」という体験そのものが、メンバーの心を開く最初のスイッチになります。
そしてもうひとつ、対話の場でぜひ取り入れたいのが「ユーモアの活用」です。指導の場が深刻になればなるほど、リアクタンスは強まります。
場の空気が重くなりそうな瞬間に、軽い冗談や自虐を一言交える。それだけで相手の感情は和らぎ、言葉の内容が届きやすくなります。リーダー自身の自然なスタイルで取り入れるのがポイントで、無理に笑わせる必要はありません。緊張をほどくゆとりがあるかどうか、それが「北風」と「太陽」を分ける微妙な差になります。
「問いかけ、選ばせる」コツ
【POINT1】まず現状を肯定してから話す
「こないだのサポート、めっちゃよかったよ」のように、現状を認めることから始める。冒頭で肯定されることで、相手の警戒心が薄れ、その後の言葉を受け取りやすくなる。否定から入る対話は、内容がいくら正しくても届かない。
【POINT2】「どう思う?」と問いかけを起点にする
指示や提案の前に、まず相手に考えさせる問いを投げる。自分で答えを出すプロセスが「自分で決めた」という感覚を生み、行動への納得度が高まる。問いかけは、答えを引き出す道具であると同時に、自由を与えるアクションでもある。
【POINT3】選択肢を3つ程度示して、選んでもらう
「こうしなさい」ではなく「A・B・Cのどれが合いそう?」と提示する。選ぶ主体がメンバー自身になることで、リアクタンスが起きにくくなる。完全な自由ではなく、用意された選択肢から選ぶ構造が、リーダーの意図と本人の主体性を両立させる。
異論や反論で返してくる部下を「扱いにくい人」と決めつけてしまうと、対話は詰まっていくばかりです。
しかし、行動経済学の視点に立てば、反発はむしろ「自分で決めたい」という意欲のサインだとわかるはず。相手のその欲求を潰さず、うまく活かす関わり方ができれば、反発していたメンバーが最も自律的に動く存在になることもあります。
そのための基本は「押しつけず、問いかけ、選ばせる」の3つ。このシンプルな原則を意識するだけで、チームの空気は少しずつ変わっていくでしょう。
うまくスイッチが入れば、反発していたメンバー自身も自分のやる気を自分でコントロールできるようになるはずです。
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