古物商の営業許可を取った合法ビジネス

その後、金券ショップは、東京にとどまらず大阪・梅田のターミナル駅周辺でも専門店へと進化を遂げ、新幹線回数券や商品券、株主優待券などを扱う店として全国に広がっていった。

業界団体も1990年代に相次いで設立されている。日本チケット商協同組合の沿革によると、1990年に東京チケット商協同組合、1994年には西日本チケット商協同組合が設立され、1996年には東京の組合が東日本チケット商協同組合に改組。1999年には東西の組織が統合され、現在の日本チケット商協同組合が設立された。

またこの年からは、古物営業法の改正により、金券ショップもリサイクルショップ同様に都道府県の公安委員会による古物商の営業許可が必要になった。

つまり、青春18きっぷが、5枚綴りから1枚での5回分の日付スタンプ方式に変更された1990年代半ばは、金券ショップはすでに特殊な存在ではなく、駅前や繁華街に店を構え、「正規料金より安くきっぷを買える場所」として、社会に広く知られる存在となっていたのである。これは、前掲した1996年の新聞記事が金券ショップでの「ばら売り」に触れていることとも整合する。

売上激減は「ある程度覚悟していた」

今回の青春18きっぷの「改悪」を受けて、金券ショップ側には実際にどのような影響があったのか。

日本チケット商協同組合に取材を申し込んだところ、同組合理事長の土居貴洋さんが取材に応じてくれた。

「青春18きっぷは売れ筋商品の一つでしたが、制度変更以降に売上が激減したのは事実です。ただ、これまでも私鉄割引切符や新幹線回数券の廃止など、鉄道系のチケットは商材としての取り扱いが難しくなる流れなのは分かっていたので、ある程度覚悟はしていました。

われわれは発行元ではないので、何も言えませんが、今後はQRコード乗車券など電子チケットの普及により紙のきっぷが姿を消し、お客様にとって身近でお得な商材が消えていくのは寂しいですね」