老後の生活を支える年金制度は、一見して分かりにくい面もある。ファイナンシャルプランナーの川淵ゆかりさんは「公的年金は、受給要件を満たしていても請求手続きをしなければ支給されないものがある。知らない、忘れていたというだけで、数百万円単位の年金を受け取り損ねるケースもある」という――。
年金手帳
写真=iStock.com/Wako Megumi
※写真はイメージです

申請を忘れると過去の年金が消えてしまう

日本の公的年金は「申請主義」であり、自動的に支給されるものではありません。そのため、必要な時に申請しておかないと、受け取れなくなってしまいます。

年金や給付関連で「申請しないともらえない」代表例は、年金生活者支援給付金(低所得の年金受給者向けの上乗せ給付)や、障害年金・遺族年金など各種年金給付の請求になります。老齢年金も含め、公的年金は原則「請求しないと支給されない」仕組みなので、受給要件を満たしたら必ず日本年金機構や年金事務所で手続きを行いましょう。

代表的な給付と申請のポイントは次のとおりです。

【1:老齢年金(老齢基礎年金・老齢厚生年金)】

65歳(特別支給は生年月日ごとの年齢)から受給可能の年金です。65歳の誕生日前に緑色の封書で必要な書類(年金請求書など)が送付されてきます。

65歳の誕生日の前日(受給権発生日)以降に年金の請求が可能になりますので、年金事務所や市区町村窓口で「年金請求書」を提出して裁定請求します。年金には時効があるため、長期間請求しないと5年を超える過去分は時効で受け取れない場合があります。

書類は失くしてしまう場合もありますので、繰り下げ受給を予定している人は、年金請求書の受取開始時期の項目欄の「今回は請求しません。後日あらためて繰下げ請求予定です。」にチェックを入れて提出しておき、受給を開始する時に窓口で手続きするようにしてください。

年金に上乗せしてもらえるお金

【2:障害年金(障害基礎年金・障害厚生年金)】

病気やけがで仕事や生活が制限されるときに請求します。初診日や保険料納付要件などの確認が必要で、診断書などを添えて申請します。

【3:遺族年金(遺族基礎年金・遺族厚生年金)】

被保険者や受給権者が亡くなったとき、遺族が請求します。死亡診断書、戸籍関係書類などを添えて申請します。

【4:年金生活者支援給付金】

市町村民税非課税など低所得の年金受給者向けの給付金です。老齢・障害・遺族年金を受給しつつ、市町村民税非課税などの要件を満たす人向けの上乗せ給付になります。対象者には案内が届きますが、請求書を提出しないと支給されません。