見逃すと損する受給額を増やせる制度
【5:加給年金・振替加算】
振替加算は原則として、年金請求を行う際に自動的に判定されますが、老齢基礎年金の請求書に配偶者情報や年金加入歴を正確に記入する必要があります。加給年金のもらい忘れは、単なる記入漏れだけではありません。
年金請求時に配偶者や生計維持関係の申立が漏れるケースに加え、受給開始後に配偶者の退職や収入減、結婚や再婚などで後から要件を満たしたのに、加給年金額加算開始事由該当届を出さず見落とすケースもあります。
さらに、65歳到達後に厚生年金の加入期間が20年以上になった場合や、在職定時改定や退職改定で対象になった場合も届出が必要になることがあり、制度の分かりにくさが見逃しにつながります。
この配偶者情報を正しく申告することが最重要ですから、必ず確認して提出しましょう。
【6:未支給年金】
「未支給年金」とは、亡くなった方に支給されるはずだった年金のうち、まだ支払われていない分を遺族が受け取れる年金です。繰り下げ受給の待機期間中だった故人がもらえるはずだった年金も、遺族が最大5年分をまとめて受け取れます。
未支給年金の申請は、年金受給者が死亡した後、遺族が「年金受給権者死亡届兼未支給年金・未支払給付金請求書」と必要書類をそろえて、年金事務所または市区町村窓口へ提出することで行います。
請求期限(原則5年)や添付書類(戸籍・住民票・通帳など)を確認し、不備がないよう記入して提出しましょう。
条件が合えば65歳前にもらえる可能性も
【7:特別支給の老齢厚生年金】
1961年(昭和36年)4月1日以前生まれの男性、1966年(昭和41年)4月1日以前生まれの女性は、65歳前に「特別支給の老齢厚生年金」を受給できる可能性があります。この年金は自動的には支給されず、請求しないと受け取れないため、通知を見落とすと時効で受給できなくなることがあります。
特別支給の老齢厚生年金には繰り下げ制度がないため、請求を遅らせても増額されることはなく、5年以上経過した部分は消失する可能性があります。65歳前に通知が届いたら必ず内容を確認し、該当する場合は早めに請求手続きを行いましょう。
【8:企業年金(厚生年金基金・確定給付企業年金)】
厚生年金基金や確定給付企業年金の制度がある会社に勤めていた場合、短期間の勤務でも企業年金連合会から年金が支給される可能性があります。しかし、企業年金は公的年金とは別の制度であり、こちらも必ず請求が必要です。
結婚による名字・住所変更、実家の引っ越しなどで通知が届かず、企業年金の存在に気づかないまま時効を迎えるケースが多くあります。企業年金連合会の年金は時効5年が適用されているため、請求が遅れると受け取れるはずだった年金が消失してしまいます。
過去に厚生年金基金や確定給付企業年金のある会社で働いたことがある方は、短期勤務でも受給できる可能性がありますので、念のため企業年金連合会に問い合わせて確認しましょう。

