相続した実家を売るとき、ある特例を使えば税金が最大600万円減る。空き家問題の最前線に立つ専門家が、「知っているだけで救われる」税制と法律を解説する。

司法書士の間でも「特例」は知られていない

団塊世代の高齢化が進むにつれ、空き家問題が顕在化しています。総務省の「令和5年住宅・土地統計調査」によると、全国の空き家は2023年に約900万2000戸。この30年で倍増しているのがわかります。

【図表】全国の空き家は30年間で倍増

私たちが受ける相談で多いのは、子どもが独立した後、実家に住んでいる親が高齢になって施設に入るケース。その後に待ち受けているのが、空き家の管理と、相続の問題です。

国は「空家等対策の推進に関する特別措置法(空き家法)」と関連する税制を、23年に改正しました。私も審議会のメンバーとして参加しました。あまり知られていないのですが、注目すべき点が2つあります。

(構成=石井謙一郎 図版作成=大橋昭一)