国籍を隠す中国人、強調する台湾人
韓国では台湾人が自ら「台湾出身です」とバッジをつけ、日本では中国人が台湾人を装う。いずれも「台湾人」を前面に出すことで、中国人への反感を避けようとする動きだ。
韓国国民には、こうした対応を迫られる現状に心を痛める人々もいる。アジア・ビジネス・デイリーによると、韓国で台湾人バッジの写真がSNSで広がると、一部の韓国ネットユーザーが、「ヘイトを煽っているのはごく少数だ」と謝罪する投稿をした。
一方で、国籍を偽ることへの批判も根強い。マザーシップによれば、中国国内では、「国名を隠すなんて愛国心がない」という声が上がったという。アジア・ビジネス・デイリーによると、台湾のネットユーザーからも、「台湾人のふりをするのは詐欺だ」「税関ですぐ見分けられる」といった反応が出ている。
韓国社会の反応は多様だ。街で実際に聞かれる声は、ヘイトに偏りがちなネット上の印象とはまた違うという。
ライブ配信者のブライアン・ルー氏(23歳、中国・貴州省出身)は昨年、近くの都市でのコンサートをきっかけにソウルへ立ち寄った。実際に待っていたのは良い経験ばかりだったと、ニューヨーク・タイムズに語っている。
「ネットで描かれているのとは全然違う。ここの人たちはよく笑うし、たくさんの人が挨拶してくれるし、とても礼儀正しい」
バッジやパスポートカバーが分断の世相を象徴する中、観光客を温かく迎え入れる人々がいるのも事実だ。観光客の増加は国籍を問わず、経済的利益を生む一方でマナー問題を招くことがある。訪日自粛でさらに多くの中国客が向かうようになった韓国で、受け入れをめぐり世論は割れている。


