賢くお金を使うには、どうすればいいのか。それには未来のリスクをはかる「期待値」が役立つ。数字にだまされない人の考え方を、3つのシーン別に解説する――。

損のリスクを回避できる最も効率的な計算法

日常生活で、不確定な未来に対して何かしらの判断を下さなくてはいけない場面は多々あります。そのとき失敗の確率が高い判断をしなくて済むよう知っておいてほしいのが「期待値」の考え方です。

ビジネスで「お客様の期待値をコントロール」というように慣用的に表現することもありますが、期待値はもともと数学の概念です。ひらたくいえば確率的に導いた平均値のことで、具体的には「結果の値」と「その結果が起きる確率」を掛け合わせて、そのすべてを足した値を指します。サイコロを振って出た目が得点になるとしたら、「1点×6分の1」+「2点×6分の1」……「6点×6分の1」と足していって出た値3.5が「期待値」となります。

仕事で期待値なんて計算したことがないという人はもったいない。たとえばイベントを企画して、上司に「集客は何人できるか」と尋ねられたとしましょう。期待値を知らないAさんは、勘と経験から「200人強はいけます」と自信満々に答えました。一方、期待値を知っているBさんは、過去のデータからこうシミュレーションしました。

(構成=村上 敬 イラストレーション=前田はんきち)