いまだに変わっていない日産
先端の自動化設備の開発と導入に資金を投じる一方で、からくりで初期投資とランニングコスト、保守費用を浮かす。佐藤氏は「ここに収益力の差の一端が表れている」と指摘する。筆者はかねて日産自動車の特集に関する取材で部品メーカーを取材したことがある。
両社の比較ができるように、日産自動車とトヨタ自動車の両方と取引する企業を取材先に選んだ。そこで複数の部品メーカーから聞いたのが、両社における加工工数の差だった。部品メーカーが生産ラインを見せると、「トヨタからは『ここをこう変えたら、もっと安くできる』といったアドバイスをもらえる。それに従うと、確かに加工工数が減り、コストを削減できる」というのだ。
一方で、日産自動車からは「特に指摘を受けたことはない」とのことだった。機能や形状、大きさが似たような部品を造っているにもかかわらず、日産自動車はより多くの加工工数をかけているという指摘が部品メーカーの現場から上がっていたのである。2025年に改めて部品メーカーに確認したところ、状況は「今も変わっていない」という。
日産自動車は自動車業界における今後の厳しい競争を戦い抜くためにも、生産技術の実力を再検証し、トヨタ自動車との差がなぜ付いたのか、どのようにしたら追い付けるのかを必死になって追究しなければならない。そのためにも、トヨタ車の受託生産は一考の余地があるのではないだろうか。



