「誰かのために」精神が根付く企業風土
以上の4大市場における活動に加えて、ルロワ氏は世界に広がる同社の「チームワーク力」の強さにも触れた。
「各国、各地域で、販売に携わるトヨタの従業員は、自分の持ち場で1台でも多く売ろう、1円でもコストを下げようと考えて販売活動に取り組んでいる。彼らは仲間たちが直面している販売の苦しさも理解している。販売で苦戦する地域があれば、自分の地域で挽回しようと考える。『自分以外の誰かのために』という精神が全世界のトヨタには根付いている」とルロワ氏は語った。
トヨタ自動車のこうした努力は、「クルマづくりに王道なし」という現実を改めて我々に気付かせてくれる。トヨタ自動車も危機に直面して変わったのだ。日産自動車にできないはずはない。そのためにも、日産自動車は今、抱えている問題から目をそらしてはならない。
日産自動車出身で、リバイバル・プランの時には生産部門の再編などで活躍した経験を持つジヤトコ(静岡県富士市)社長の佐藤朋由氏は、「一番の問題は販売だと思う」と言う。
造る側に責任を押し付ける日産の営業
「日産のクルマ自体は悪くない。他社のクルマと比べても、決して引けを取ってはいない。世界中に良いクルマはあり、販売網もあるのだから、うまく販売の軌道に乗せるべきだ。だが、かねて日産では『クルマをもっと売ろう』という話をしていると、必ずと言ってよいほど商品力の話に切り替わっていた。
販売側が開発側の責任を追及するのだ。それは違うのではないか。もう少し顧客との距離を詰めることや、ディーラーの力を引き上げるなどの工夫を考えるべきではないか」(同社長)
ものを造る開発側と売る販売側で衝突する企業は珍しくない。
だが、互いに責任をなすりつけ合う関係を続けていては、販売台数の増加にはつながらない。ルロワ氏の言葉を借りると、日産自動車は「顧客に日産車の魅力を伝える当たり前の活動を、愚直に進めなければならない」ということになる。



