「隠れミッキー」が満たす人間の欲求
(2)自己効力感(Self-Efficacy):私は知っている、私が役に立っている
自己効力感とは、推し活における「私が支えている」「私が貢献した」「私は特別なことを知っている」という感覚です。
ディズニーランドの「隠れミッキー」や「BGS(バックグラウンドストーリー)」の発見もその1つです。隠れミッキーとは、パーク内の壁や地面に隠されたミッキーマウスの形をした模様です。BGSとは、例えば「この窓にはこんな物語がある」という秘密のストーリーです。これらを見つけたときに、ゲストは「この秘密を知っているのはごく少数のファンだけ」という優越感を抱くのです。
ユニバーサル・スタジオ・ジャパンのスーパー・ニンテンドー・ワールドで使用する「パワーアップバンド」もそうです。このバンドを購入すると、ゲストのアクションがゲームの点数として反映されます。
自分の点数によってチームが勝利した場合には、「私が頑張ったから勝てた」という強烈な貢献感を味わえます。
「自己効力感」を刺激するのが、「ゲスト側の狂気的なこだわり」です。企業が仕込んだ「こだわり」をゲストが発見することで、彼らは自信と優越感を深め、沼にはまっていくのです。
「私もやりたい」が推し活のエネルギーに
(3)自発性(Spontaneity):やらされるのではなく、やりたくて動く
自発性とは、企業が提供する楽しみ方だけでなく、自分なりの楽しみ方を見つけ、能動的に動くことです。これが推し活のエネルギー源になります。
ユニバーサル・スタジオ・ジャパンのハロウィーンイベント「ゾンビ・デ・ダンス」では、ゲストが動画を見て振り付けを覚えて、会場で一緒に踊ります。参加するために事前の自発的な努力を行うのです。時間と労力をかけた分、当日の熱狂が大きくなります。そして、次回も参加しようと思います。抜け出せなくなるのです。
「隠れミッキー」を見つけたゲストは、ほかにもあるのではないかとまた探し始めます。「こだわり」を数多く用意することで、自発性を刺激するのです。
つながり・自己効力感・自発性という3つの心理スイッチを押すことで、企業は沼るファンを増やすことができます。そのためには、「誰でもできる」ことを完璧に実行するだけでなく、「誰もやらない」領域に経営資源を効果的に投下することが重要です。
「誰もやらない」領域、あなたはその領域に経営資源を投下できますか?


