「同胞人が多く買っているので安心」
私は、このマンションの詳細についてしばしば講演で取り上げ、同様の質問を冗談めかして聴衆に投げかけるのですが、それまで手を挙げた人は1人もいませんでした。
ところが、会場の後方に座っている中年男性がすっと手を挙げました。そこで、私のほうからどの住戸を買ったのかお聞きすると、まさに私がスライドで記した住戸(3LDK、121平方メートル)を購入したと言います。会場内から驚きの声。価格は5億2000万円だとのことです。驚いたことに全額現金での購入です。
さらにどんな点が気に入ったのか聞いてみると、立地、設備仕様などはもちろん、気に入ったが最大のポイントとして、
「同胞人が多く買っているので安心しました。中国人が自分だけでは寂しい。この物件はその点がとても気に入りました」
と答えてくれました。この発言に興味を持った私は、さらに
「ほう、同胞人が多いということは中国ですよね。ちなみに中国の方はどのくらいこのマンションを買っているかご存じですか?」
と聞いたところ、天井を見上げるようにしてしばらく考え、
「ふうん。私が知る限りですが、100人を下らないですね」
という驚愕の発言をされました。
中国人が多いマンション「中華まん」
実際の数はわかりませんが、900戸を超える分譲戸数でしたから、1割以上の住戸が中国人の所有ということになります。私の知人でこのマンションを購入し、住んでいる方がいますが、中国人オーナーの姿はけっこう目にしているとおっしゃっていました。
中国はどこの国でも同胞人で固まる傾向があると言われます。世界中に広がるチャイナタウンがその典型です。そうした意味では、日本国内にもチャイナタウンならぬ、“中華まん”が増殖しているのかもしれません。
なお、このマンションについて語ってくれた方は、今は旅行で日本に来ているものの、近い将来は日本に永住するつもりであり、その際の住居として購入したとも話してくれました。
今、中国では日本への移住を検討する人が増えているのだそうです。特に近年急激に増えた富裕層のなかに、こうした志向を持つ人が多いと言います。その背景を、次にご説明しましょう。

