AIによる音声認識や翻訳能力の向上も

例えばアイロボットのロボット掃除機「ルンバ」シリーズの場合、内蔵カメラで取得した映像をAIで分析することで障害物を認識して回避します。

さらにユーザーがアプリで「これは障害物です/違います」と学習させてクラウドに戻すことで、AIの分析能力が向上していく仕組みを備えています。これはクラウドを活用しているからこそできる能力向上の仕組みなのです。

筆者がここ数年で著しい進化を遂げていると実感するのが、AIによる音声認識や翻訳能力の向上です。AI文字起こし機能を搭載するソースネクストのICレコーダー「オートメモ」シリーズの場合、複数のAI音声認識エンジンをその時々の能力によって組み合わせて活用しています。発売当初に比べて数年で能力が大幅に進化するのを実体験しました。

本体では録音をするだけで、音声認識自体はクラウドで行っているからこその進化というわけです。

ソースネクストはボタンを押して話すだけで自動的に数多くの言語に翻訳してくれる自動翻訳機「ポケトーク」も販売しています。こちらも言語ごとに最適な翻訳エンジンを採用し、常にクラウド上の最新のエンジンを利用して翻訳する仕組みを採っています。

AI活用された家電の未来

利用する際にインターネットに必ず接続する必要があるのが難点ではあるものの、本体の通信機能もしくはスマートフォンのテザリング機能(スマートフォンの通信機能を他の機器に提供する機能)などを活用することで利用できます。モバイル通信が格安になった現代だから活用できるようになったデジタル家電と言えます。

安蔵靖志『家電ビジネス』(クロスメディア・パブリッシング)
安蔵靖志『家電ビジネス』(クロスメディア・パブリッシング)

スマートフォンのカメラ機能なども同様です。AIを活用することで、背景にいる人々をいなかったように加工したり、人やものだけを認識してコピーし、別の背景に貼り付ける機能などが提供されています。

人が話している内容をリアルタイムでAIが文字起こしする機能や、手描きで描いた絵をもとに写真や絵を生成する機能など、スマートフォンのアプリからクラウドを活用すると何でもできてしまうような状況です。

テレビでも、AIに話しかけることで音声からその人をパーソナライズし、その人の好みに合わせたコンテンツを推薦する技術が発表されました。

まだまだAIも進化途上なのでできることは決して多くはありませんが、アイデア次第でさまざまな家電に今後AIを活用した機能が搭載されていくことでしょう。

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