北朝鮮のたくましい外貨獲得戦略

これらの北レスは、北朝鮮にとって伝統的な外貨獲得手段の代表例である。もちろん、ここで客が支払った代金が全額そのまま平壌の党や国の金庫に直行するわけではない。利益は合弁元である中国企業と北朝鮮側の企業との間で分配され、最終的にそのいくらかが北朝鮮当局へと渡っていく仕組みだ。

また近年、北朝鮮の外貨獲得戦略は他の分野へも多様化・巧妙化しており、国家として北レスの収益のみに依存しているわけではない。しかし、それでも好奇心、「話のネタ」として無邪気に支払うその飲食費の終点がどこに行き着くのか、という事実は知っておくべきだろう。

厳しい経済制裁の長期化やコロナ禍の徹底した国境封鎖を経て、日本にとって北朝鮮は物理的にも心理的にもさらに「遠い国」になりつつある。だが実態として、彼らは中国の街角で、我々が日常的に利用するような身近な店舗に擬態し、今なおしぶとく事業を展開し続けているのだ。中国滞在の夜にきらめく北レスやステルス店舗の看板は、国際社会の網の目をくぐって外貨を稼ぎ出す、北朝鮮の圧倒的でたくましい「生存戦略」の確かな反映といえるだろう。

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