売り上げナンバー1は全盲の男性
介護業界の最大の問題は、人手不足だ。特にマッサージ師の数は、全国で12万人ととりわけ少ない。
「医師は毎年、9000人は生まれていますが、マッサージ師は1000人。辞めるのも毎年1000人なので、増えないんです。そこで苦心したのが、視覚障害者の採用でした」
フレアス誕生の地・山梨で3番目に採用したマッサージ師は、全盲の50代男性だった。視覚障害者の雇用において、澤登さんは「ライトサポーター」という視覚障害者のサポート役を作ることにした。訪問の際の運転、バイタルチェック、記録などを行う人間を補佐につけたのだ。
「全盲の方は経験もある方だったので、うまくいきましたね。我々にとって障害者雇用ではなく、戦力です。2人分の人件費がかかるけれど、それ以上の売り上げを出してくれる。社員の22.5%が視覚障害者で、売り上げ上位10人の50%は視覚障害者です。7年間、不動のナンバー1は全盲の男性です」
障害があろうがなかろうが甘やかさない
2023年度に「障害者雇用ランキング」1位を獲得したが、「得意なことを、得意な人にやってもらう」ことをしただけのこと。その代わり、甘やかすなど“逆差別”もしない。
「できることはやりなさい、必要なことはサポートするからって。だから勉強してクオリティを上げ続ける努力も転勤も、障害があろうがなかろうが必要とされるものです」
視覚支援学校の高校を卒業して就職した、全盲の社員が入社式で宣言した。
「これまでは『ありがとうございます』と、お礼を言う人生でしたが、これからは『ありがとう』って言われる人生を送りたい」
現場に配属され、それはあっという間に現実のものとなった。彼は毎日、利用者に「ありがとう」と言われ、車の中はお礼のお菓子ですぐに一杯になる。フレアスに入ったからこそ実現した、まさに“逆転人生”だった。

