「半年ぶりにぐっすり眠れました」

希望が見出せない仕事に行き詰まっていた澤登さんは偶然、「訪問マッサージ」という仕事の存在を知る。医療保険を使って、高齢者に在宅でマッサージをするものだ。澤登さんは新しい分野の仕事に強く惹きつけられ、開業を決意。10万円の給与だったため自己資金がなく、自宅の応接間を事務所にしてスタート。2000年、31歳のことだった。

26年前、創業当時の澤登さん
写真提供=フレアス
26年前、創業当時の澤登さん(31歳)

2000年は幸運にも介護保険制度がスタートした年で、大きな追い風となった。ケアマネジャーという職種ができ、おかげで寝たきりの高齢者とのパイプができたのだ。対象は自身で病院に行くことが難しく、麻痺などで寝たきりか、それに準ずる人たちだ。

こうして澤登さんは、紹介された高齢者に在宅でマッサージを行うこととなった。効果は、目に見えて表れた。脳梗塞で寝たきりになり、痛みのあまり眠れなかった高齢男性が、マッサージで生活が一変した。本人にとって、どれほどの喜びだったか。