祖業でもある居酒屋は重要な収益源

ただし渡邉氏によると、から揚げの天才を担当していた部隊はサブウェイに移っているとのことで、店舗は激減しつつも、人材や組織を育てられたというプラスの側面もあるそうだ。

居酒屋については祖業でもあり、既存店売上高が前年比105%のペースで毎年伸びていることからも、重要な収益源として考えているという。一方、コロナ禍を経てのライフスタイルの変化や若者のアルコール離れといった要因もあり、将来的に市場の厳しさは増していく。

その中で選ばれる居酒屋であるために、価格、商品、サービス、店舗の清潔感、内装の新鮮さなどを重視しているそうだ。中でもサービスについては、今の状況によって評価が高くなっている面もあると見ている。

新規出店を抑えることで生まれたメリット

「新規出店を抑えることで、店長が頻繁に異動する必要がなくなりました。そうすると人材も育つし、常連のお客様との関係も深まります。店長が長く店舗にいることのメリットは以前から理解していましたが、店舗網を拡大していた頃はなかなか実現できなかった。新店舗を立ち上げる際には、どうしても経験豊富な店長を配置する必要があったからです。

今、店長が地域や店舗に根ざして運営できる環境が整ってきました。それがサービスに表れ、結果としてお客様に選んでいただけている、ということなのだと思います」

渡邉氏が「残存者利益」とも表現するように、ワタミの運営する居酒屋が好調な理由として、コロナ禍で宴会ができるような他社店舗が減少した結果、宴会対応が可能なワタミに需要が集まっているという側面も大きいそうだ。

確かに、渡邉氏が挙げた「選ばれるための要素」は目新しいものではなく、どちらかと言えば対策として王道だ。しかし客から見てバランスよく品質を維持し続けるのが難しいことも事実。無理せず、手堅く出店している今のワタミだからこそ可能になっているということなのだろう。

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