喜ばしいことなのに批判が殺到
先日、ロサンゼルス・ドジャーズの大谷翔平選手、妻の真美子さんに第2子が誕生したというニュースが報じられました。とても喜ばしいことだと思っていたところ、SNSにはお祝いの言葉ばかりではなく、思いがけない言葉がたくさん上がっていて、私は大変驚きました。
どんな言葉かというと、「第1子誕生から間がなさすぎて、奥さんの健康に悪い」「年子はよくない」「子どもの健康も心配だ」などといったもの。果てには「多産DVではないか」などと言う人まで現れ、開いた口が塞がりませんでした。多産DVというのは、女性が望まない妊娠・出産を繰り返させる性暴力・ドメスティックバイオレンスのことで、あまりにもひどい誹謗中傷です。
「他の有名スポーツ選手でもお子さんが多数いて、それぞれ1〜2歳差でも何も言わないのに、大谷選手にだけ言うのはおかしい」という意見も見ました。その通りです。いずれにしても大きなお世話でしょう。
出産間隔はどのくらいがいいのか
では、実際のところ、年子はよくないのでしょうか。お母さんと赤ちゃんに多大な健康上のリスクがあるのでしょうか。医学的に見ていきましょう。
世界保健機構(WHO)は、出産後に次の妊娠を試みるには少なくとも24カ月(2年)あけることを推奨しています。出産間隔でいうと、33カ月以上です(※1)。米国産婦人科学会(ACOG)と母体胎児医学会(SMFM)は、出産から次の妊娠開始までの期間が6カ月未満にならないようにというガイドラインを出しています。特に、過去に帝王切開で出産した女性は、次に自然分娩する場合には18〜24カ月未満の短い妊娠間隔ではないほうがよいようです(※2)。
一方、子どもの側を調べた研究のメタ解析では、妊娠間隔が18カ月未満、または59カ月以上だと、早産、低出生体重児などの周産期リスク上昇と関連があるとされています(※3)。
ここまで読んで「やっぱり自分の懸念は正しかった」と思った人がいるかもしれません。でも、そうではありません。ここからが重要です。
※1 Birth spacing— report from a WHO technical consultation
※2 Interpregnancy Care: Guidelines from ACOG and SMFM - AFP
※3 Birth spacing and risk of adverse perinatal outcomes: a meta-analysis - PubMed
※4 Interpregnancy Care - ACOG

