どういう状態が「便秘」なのか
「毎日うんちは出ているのに便秘」という子どもがいるのをご存じでしょうか。
子どもの便秘は決してめずしいものではなく、10人に1人以上に見られるとされています。そもそも便秘というのは、便の回数が少ないか、出にくい状態です。排便回数が週3回より少ない場合、5日以上出ない日が続く場合、コロコロした硬い便が少量ずつ続く場合、排便時に痛みや出血がある場合などをいいます。
そうして慢性的な便秘によって腸に便が溜まりすぎたり、大きな便のかたまりが腸をふさいだりすると、緩い便が少しずつ漏れ出て下着や床につくといったケースもあります。これは「遺糞症」といって、本来なら排便コントロールのできる4〜5歳以上の子が緩い便を少しずつ意図せずに漏らしてしまう状態です。
便秘には大きく2種類があり、1つは腸や肛門、ホルモンや神経の病気による「器質性便秘症」、もう1つははっきりとした原因のない「機能性便秘症」で、ほとんどは後者です。機能性便秘は、離乳食を開始あるいは完了したとき、トイレトレーニングがうまくいかないとき、新学期になりやすいことが知られています。なぜかというと食事や生活のリズムが変わり、排便のタイミングが乱れやすいためです。そこで、今回は子どもの便秘の原因と家庭でできる対応、そして受診の目安について解説します。
便秘を放置してはいけない理由
さて、便秘というと、軽く考えられがちですが、じつはそのままにするのはよくありません。なぜなら腸に便が溜まっている状態が通常になると、便意を感じにくくなるので、より溜まりやすくなってしまうからです。その状態が長く続くと、大腸が拡張されて「巨大結腸」のような状態になることも。さらに便が体外に出ずにずっと腸の中にあると、水分が吸収されて硬くなり、排便時に肛門が痛くなるので、子どもは排便を我慢することになりがちです。
小さい子だとお腹が張って吐きやすくなったり、母乳や育児用ミルクを飲みたがらなくなったり、食欲が落ちたりします。便が出にくい状態が1〜2カ月続いている状態を「慢性便秘症」といいますが、気づかないうちに慢性便秘症になっていて、便意を感じるたびに大泣きしてしまうというような状態になってから受診する子もいます。
小学生以上の大きな子では、ときどき「お腹が痛い」と訴えるものの、しばらくするとおさまるので様子を見ていたら、急に顔色が真っ青になって脂汗をかくほど苦しくなって救急外来を受診するというケースもあります。こういうケースでは、問診したり、お腹を触って診察したりして、レントゲン写真を撮ると大腸いっぱいに便が貯留していることが多いのです。

