値上げラッシュでも安さを保つ「秘密」

品質やサービスに手を抜かず、安さも確保していることが、鳥メロの人気を維持しているようだ。では、どこも値上げが止まらない現在の状況で、鳥メロでは生ビール199円などの低価格をどのように実現しているのだろうか。誰もが知りたいところだろう。

まず物価高騰の影響として、食材の仕入れ値は2024年度に比べ、2025年度は2.5%上がっているという。2026年度も3〜5%のアップが予想される。その中で、値上げも行わず安さを打ち出すための対策について渡邉氏に聞いた。

「一つには、生ビールは目玉商品として特別な価格設定にしている一方で、サワーなど原価の比較的安定した商品とのバランスをとっています。またフードメニューについても、お客様のニーズや販売実績を踏まえながら定期的にメニューの改廃を行い、全体の最適化を図っています」

「清流若どり ももねぎま串&むねねぎま串」605円
写真提供=ワタミ
「清流若どり ももねぎま串&むねねぎま串」605円

「さらに、食材の調達について例えば鶏肉は、世界的な需給環境や為替、物流コストなどの変化に応じて、国内外を含めた最適な調達先を検討してきました。過去にはタイやブラジルなどから調達していた時期もありましたが、その時々の市場環境を踏まえながら見直しを行い、現在は国産鶏肉を中心に使用しています。このように、国内外の幅広い調達ネットワークを活用し、その都度最適な調達を行うことでお客様にできるだけ手頃な価格で商品をご提供できるよう努めています」

メニューを手作りに変えてコストダウン

同時に、外食事業全体のメニューのうち1割を手作り品や店内加工品に変えることで、品質アップとコストダウンを図っているという。しかし素人考えかもしれないが、手作りにした方がかえって高くついてしまうのではないだろうか。

「集中仕込みセンターの『ワタミ手づくり厨房』で仕込みを行い、各店舗や宅食営業拠点に配送しています。メーカーから仕入れるよりも安く、しかも手づくり感のある仕込みが行えるのが強みです」

ワタミ手づくり厨房は関東圏の外食店舗の食材をまかなうセンターとして、2002年に埼玉県で稼働開始。その後栃木、愛知、山口、福岡、尼崎などにも設置され、全国に展開が広がっている。食材の仕入れや流通を宅食事業と合わせることにより、スケールメリットも出ていると考えられる。そのほか例えば、配送を週に5回だったところを4回にするなど、細かな工夫によって全体のコストダウンを図っているという。

ワタミ会長 兼 社長CEOの渡邉美樹氏
撮影=西田香織