集中力低下、やる気低下、気分の落ち込み

さらに見逃せないのが、食事の乱れです。

近年注目されているのが、脳の栄養状態とメンタルの関連です。外食や糖質中心の食事が続くと血糖値の急激な乱高下による変動で、脳へのエネルギー供給が不安定になり、集中力や意欲の低下を招きます。実際に、血糖変動と気分障害との関連は多くの研究で報告されています。

Anderson RJ et al. Diabetes Care. 2001;24(6):1069–1078.

また、長期休暇中にたんぱく質やビタミンB群、鉄、亜鉛といった栄養素の摂取が不足すると、セロトニンやドーパミンといった神経伝達物質の合成が低下し、気分の落ち込みや意欲低下を引き起こします。

つまり、長期休み明けのメンタル不調は、自律神経・体内時計・栄養バランスの3つが乱れた結果として生じる生体反応なのです。

セロトニン、ドーパミンをつくる栄養素

メンタルの安定は、気合いや根性といった精神論ではなく、脳内で働く神経伝達物質の量とバランスによって決まります。

「気分」や「意欲」に関わるセロトニンやドーパミンといった物質は、体内で自然に作られるものですが、その合成を支えているのが「栄養」です。

ポイントは、メンタルを支える栄養素には大きく3つの役割があるということです。

①神経伝達物質の「材料」となる栄養素
②それを作る過程を支える「サポート役」の栄養素
③脳の状態そのものを整える「調整役」の栄養素

まず「材料」となるのが、タンパク質です。

たんぱく質から得られるアミノ酸のうち、トリプトファンはセロトニン、フェニルアラニンはドーパミンの原料となります。不足すると、気分の落ち込みや無気力につながりやすくなります。

黒板に筋肉隆々の腕のイラスト。その周りに高たんぱくな食材
写真=iStock.com/piotr_malczyk
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この「サポート役」となるのが、ビタミンB群です。

アミノ酸だけでは神経伝達物質は十分に合成されません。特にビタミンB6やナイアシンは、神経伝達物質を生成する際の補酵素として働きます。また、ビタミンB12と葉酸はホモシステインという悪玉アミノ酸の代謝に関わり、脳血管や神経機能を保護する役割を担っています。