世界から不思議に思われる日本人の仕事の慣習は何か。元Googleの人材開発責任者で起業家のピョートル・フェリクス・グジバチさんは「日本の上司が同行した海外出張の商談で、何も決まらないまま終わることは珍しくない。こうした不透明な対応は、相手に『この会社は一体何がしたいのか』という不信感を抱かせる」という――。
※本稿は、ピョートル・フェリクス・グジバチ『世界の一流は「部下」に何を教えているのか』(クロスメディア・パブリッシング)の一部を再編集したものです。
「情報交換しましょう」という謎のフレーズ
日本企業が海外企業と商談する際には、部下に同行して上司が「顔合わせ」のために海外出張するケースもありますが、日本の上司が最も多く口にするのは、「情報交換しましょう」という謎のフレーズです。
この言い回しは、「お互いのことを、よく理解してからビジネスを進めましょう」という意味合いの日本式のビジネス常套句であるため、海外のビジネスパーソンには、そのニュアンスが伝わりません。
このフレーズが飛び出すと、海外の交渉相手は、ほぼ例外なく困惑します。
「情報交換? どんな情報を、何のために交換するんだ?」
相手が日本人であれば、「阿吽の呼吸」で雑談が始まりますが、外国人が相手であれば、そうしたことは期待できません。
海外のビジネスパーソンは、上司が来るということは、アジェンダに関するディスカッションをするためだろう……と考えて、そのための準備を整えています。
どんな提案があるのか、どんなプレゼンがあるのかと待ち構えているところに、「最近はどうですか?」という意味不明な問いかけが始まるため、彼らは一様に、「何のこっちゃ!?」となります。
「この場で、何を話すべきなのか?」という疑問が、会議の空気を支配してしまうのです。

