当日の目的をあらかじめ明らかにする

目的を言語化しないまま関係構築を始めてしまうと、相手は事前準備ができない状態で時間を過ごすことになります。

何を期待されているのかが不透明な時間は、意思決定の速度を停滞させ、相手にとっては単なる「損失」として受け取られてしまいます。

こうした事態を避けるためにも、事前交流を行う際は、当日の目的をあらかじめ明らかにしなければなりません。

「本日は、お互いの方向性を揃えるところまで進めたい」など、具体的なゴールを提示することが大切です。

目的をはっきりと共有するだけで、形式的な儀礼に過ぎなかった時間を、お互いの将来を共に描くための「設計」に変えることができるのです。

エレベーター前の形式的な「お辞儀」

日本企業を訪れた海外のビジネスパーソンは、エレベーターのドアが完全に閉まるまで深々と頭を下げ続ける日本人の姿に、強い感銘を受けます。

このような礼節を重んじる姿勢そのものは、日本が世界に誇るべき素晴らしい文化といえますが、ここで注意すべきなのは、その行為が「本来の目的を適切に果たしているかどうか?」という点です。

2つのエレベーター
写真=iStock.com/rilueda
※写真はイメージです

長時間お辞儀を継続している間、他の来訪者はエレベーターの前で待機を強いられることになります。

お辞儀をする本人が通路を塞ぐことで、周囲で働く同僚の動線を遮ってしまうだけでなく、深く頭を下げ続けている本人は、周囲の状況を把握することができません。

礼儀の形式が厳格に守られていたとしても、空間全体の最適化という視点は失われている可能性があるのです。

こうした姿に対し、海外のビジネスパーソンは「目の前の儀礼には集中しているが、全体が見えていないのではないか?」という懸念を抱きます。