企業に対する救済措置はゾンビ企業を増やす

企業が倒産して労働者が放り出されてしまうと、労働者は路頭に迷うことになります。欧州各国では失業保険などが手厚く整備されており、再就職支援も豊富ですが、日本の場合には企業から放り出されてしまうと、労働者の自己責任で次の仕事を探さなければなりません。

加谷珪一『本気で考えよう! 自分、家族、そして日本の将来』(幻冬舎)
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企業の倒産が増えると生活困窮者の増加につながってしまいますから、政府はできるだけ企業を倒産させないよう公的資金を投入したり、銀行に対する指導を強化していました。このため、経営があまりうまくいっていない企業でも、延命できているケースが多かったのが実情です。

一部の専門家は、こうした企業に対する救済措置は、いわゆるゾンビ企業を増やす結果になるため、やめるべきだと提言しており、政府も過度な企業支援は停止する方向に舵を切ろうとしていました。ところが、このタイミングでやってきたのがコロナ危機です。

コロナ危機に際しては、多くの企業が経営破綻する可能性がありましたから、政府はやむを得ず企業支援策を継続。コロナ後も企業はなかなか淘汰されず、引き続き政府や銀行の支援で延命している企業が数多く存在します。

ここで金利を急に上げてしまうと、企業の倒産が急激に増える可能性があり、金利の引き上げに慎重にならざるを得ないのです。

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